緑内障の点眼薬一覧(効能、作用機序、副作用、注意点)

薬・健康
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にゃっく
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こんにちはー!薬剤師のにゃっくです。

緑内障の点眼薬が沢山処方されるので調べました。自店舗で出るのが多い順になってます。

以前はβ遮断薬がメインでしたが、今は有効性や副作用の観点からプロスタグラン製剤が多く使われていますね!

緑内障とは?

緑内障とは、眼の奥にある視神経という部分に異常が起こり、視野(見える範囲)が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気。

多くの緑内障の進行はゆっくりであるため、病気に気付かないまま視野が欠けていってしまうことがある。障害された視神経を回復する方法は確立されておらず、早期に緑内障を発見し、適切な治療を開始・継続する事が大切。

正常眼圧緑内障が6割と言われているが、視神経が弱い為元の眼圧より3割程度眼圧を下げておいた方が良いと言われている。

緑内障の点眼薬一覧

作用機序や副作用は添付文書を引用しています。

プロスタグランジン製剤

・キサラタン(ラタノプロスト) 1日1回
・タプロス(タフルプロスト)
  1日1回
・トラバタンズ(トラボプロスト)
1日1回
・ルミガン(ビマトプロスト)
  1日1回

現在最も使われている薬。頻回投与で効果減弱

これらは効果的にはそこまで変わらないと言われていますが特徴としては、キサラタンは安い。トラバタンズは防腐剤の塩化ベンザルコニウムが入っていない。ルミガンは少し効果が高い(2018年3月の論文データ。ただn=32と少数 ⇒ 緑内障患者におけるビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、およびタフルプロストの有効性と眼表面疾患指数スコアの比較-PMC (nih.gov)

作用機序:FP受容体に対して選択的に作用するフルアゴニストであり、ぶどう膜強膜流出経路からの房水の流出を促進することにより眼圧下降効果がもたらされると考えられている。

副作用結膜充血、角膜炎、濾胞性結膜炎、虹彩および眼周囲の皮膚の色素沈着、まつげの成長、ヘルペスの再活性化など

注意点:まつ毛の増加や目の周りの黒ずみが他の点眼薬と比べると多いので点眼後は洗顔した方が良い。

★一時的に霧視があらわれることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

EP2受容体作動薬

・エイベリス(オミデネパグ イソプロピル) 1日1回

2018年11月発売で比較的新しく、新しい作用機序

作用機序:EP2受容体刺激作用により、線維柱帯流出路及びぶどう膜強膜流出路の二つの経路を介した房水流出が促進されることによると考えられている。

副作用結膜充血(22.8%)、虹彩炎、角膜肥厚、眼痛など

注意点:一時的に霧視、羞明等があらわれることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

β遮断薬

・チモプトール(チモロールマレイン酸) 1日2回
・ミケラン(カルテオロール)
      1日2回
・ベトプティック(ベタキソロール)
   1日2回

禁忌:①気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]
②コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。]

チモプトールは1981年発売。歴史があるね!プロスタグランジン製剤の方が第一選択になっている。

作用機序:チモロールマレイン酸塩の眼圧下降作用機序の詳細は明らかでないが、サル、健康成人でのフルオロフォトメトリー試験及び緑内障患者でのトノグラフィー試験において、主に房水産生の抑制によることが示唆されている

副作用:眼刺激症状(5%以上)、結膜炎、霧視、徐脈など

特徴:・通常1日2回点眼だが、チモプトールXE、リズモンTG、ミケランLAなど1日1回タイプが発売されている。
・本剤との合剤が各種発売されている。
・ベトプティックは唯一β遮断薬の中で気管支喘息に禁忌でなく注意だが、基本的に避けた方が良いだろう。

注意点:全身的に吸収される可能性があり、β-遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること

炭酸脱水酵素阻害薬

・トルソプト(ドルゾラミド)  1日3回
・エイゾプト(ブリンゾラミド)
 1日2回⇒効果不十分は3回OK
・ダイアモックス(アセタゾラミド)
 ⇒点眼は無い

他の緑内障治療薬で効果不十分な場合の併用療法:緑内障、高眼圧症

作用機序:炭酸脱水酵素は眼を含む多くの組織に存在し、生体内での二酸化炭素の水和、炭酸の脱水の可逆的反応(CO2+H2O⇔H2CO3)をあずかる酵素である。ドルゾラミドは毛様体に存在するこの酵素を特異的に阻害し、炭酸水素イオンの形成を遅延させ、ナトリウムの液輸送を低下させることにより、房水産生を抑制し、眼圧下降作用を示すと考えられる

副作用眼刺激症状(24.4%)、結膜炎など

特徴:トルソプト:酸性。目に刺激感を感じる事あり。
エイゾプト:刺激感を感じにくいが霧視が起こる事あり。
ダイアモックス:てんかんやメニエール病など他の疾患で使われることもある。適応外で高山病にも。

α2刺激薬

・アイファガン(プリモニジン) 1日2回
・アイオピジン(アプラクロニジン) レーザー手術後の眼圧上昇防止のみ適応

他の緑内障治療で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討すること。

作用機序:アドレナリンα2-受容体に作用し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進により眼圧を下降させると考えられている

副作用:点状角膜炎/眼瞼炎/結膜炎(5%以上)、目の異常感、霧視、めまいなど

特徴:稀であるが全身的に吸収されるため、α2-作動剤の全身投与時と同様の副作用(眠気、めまい、徐脈、低血圧等)があらわれることがある。
眠気、めまい、霧視等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合は注意

αβ遮断薬

・ミロル(レボブノロール)⇒販売中止
・ハイパジール(ニプラジロール)
 1日2回

作用機序:β受容体遮断作用による房水産生抑制、及びα1受容体遮断作用による房水流出促進によることが示唆されている。

副作用:結膜充血、結膜炎、霧視、眼の刺激感など

注意点: 全身的に吸収される可能性があり、β遮断薬全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、留意すること。

Rhoキナーゼ阻害薬

・グラナテック(リパスジル) 1日2回

他の緑内障治療薬で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討すること。

作用機序:Rhoキナーゼ阻害作用に基づく線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出促進が示唆されている

副作用:結膜充血(69.0%)、結膜炎、眼の刺激感など

特徴:霧視は少ない。

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